近所に新しいレストランができたとします。
そのレストランのチラシが手に入りました。
そこにはこう書かれています。
「美味しいですよ」
・・・どう思うでしょうか。
これ、ウリになっていませんよね。
それには、2つの理由が言えると思うんです。
一つ目の理由。
食べ物のお店はみんな「美味しい」はずですから。
多くのお店の中から選んでもらう理由になっていないんです。
二つ目の理由。
食べたことがない状態で「美味しい」とアピールされても意味がないから。
文字を見ても伝わらないんです。
「食べれば分かるよ」というのは、傲慢ですし怠慢。
女性を口説く時、
「俺、いい人なんですよ」
なんて言ったらおかしいですよね。
* * * *
しかしですね。
動画を作ろうとする時につい、
「うち、美味しいんです」
「俺、いい人なんですよ」
みたいな動画にしてしまうんです。
サービスを行う人、
商売をする人、
ものを作る人は、みんな、
当然のことながら、
ウリにしたいことを持っていると思います。
言いたいことがいっぱいあると思います。
ただ、
それらを全部詰め込むことが、
動画の企画ではないんです。
みなさんの数多くのウリの中から、
(1)見て分かるウリを選び、
(2)見て伝わるように表現する
ことが必要なんですね。
冒頭のレストランを再び例に使って解説します。
(1)見て分かるウリを選ぶ
これは、
お店の外観、
店内の雰囲気、
お客さんの層、
料理、
接客の様子、
みたいなことが挙げられるでしょう。
そしてこれらをどう表現すると「伝わる」のかを考えるわけです。
(2)見て伝わるように表現する
夕暮れになり、お店の看板が、ポ、と点灯する。
昼間の日差しの中、玄関の観葉植物がゆっくりと風に揺れている。
お客さんで埋まった店内を、笑顔の店員さんが元気よく動き回っている。
お客さんと談笑するコックさんの笑顔のアップ。
小さい男の子の口にスプーンを運ぶ笑顔の母親。
美味しそうに食べている年配の夫婦。
肉汁が湯気とともにキラキラ輝くハンバーグ。
盛り付けられた料理の手前のグラスに赤ワインが注がれていく。
* * * *
動画を作るときは、
「見て分かる」ウリなのかどうか、
という視点はとても重要です。
動画の企画の時、
ぜひ念頭に置いてみてくださいね。