私は生まれも育ちも広島で、
それはつまり、頻繁にお好み焼きを食べて育ってきました。
いわゆるこの”広島風”お好み焼き(致し方なくこの表現を使ってますが)、
作り方に特徴があります。
まず生地をクレープ状に広げ、
その上にキャベツなどを乗せて裏っ返し、
中の野菜類を蒸し焼きにします。
続いて、別で炒めた焼きそば
(私はうどん派です)
を先ほどの野菜類の下に重ね、
その下に肉、軽くかき混ぜた卵を重ね、
最後にまたひっくり返して完成です。
だいぶはしょりましたが、
他にもいろんなものを重ねたり混ぜたりします。
(大丈夫ですよ。動画制作の話につながりますからね)
”広島風”お好み焼きの作り方を
ざっと書きましたが、
お伝えしたかったのは、
作る順番がある、ということ。
例えば、最後ひっくり返すだけの段階で、
「俺が美味しいお好み焼きの作り方教えてやるよ」
なんて人が現れ、
「生地に山芋を混ぜてみな」
なんてアドバイスをくれても遅いんですね。
* * * *
動画制作にも順番があります。
そしてその途中の変更には、
変更が簡単な場合と、
そうでない場合があるわけです。
先ほどのお好み焼きの話であれば、
完成間近に記事の変更は厳しい。
でも、卵の下にイカフライを入れるくらいならすぐできます。
(食べたくなってきました)
動画の納品予定日、というものがあります。
ここから逆算してスケジュールが決まりますが、
それぞれの段階で、変更できる内容が異なるんですね。
さらに、納品予定日が近づけば近づくほど、
変更できることがどんどんなくなっていく。
納品日当日なんて、当たり前ですが、
変更は厳しい。
動画によっては、編集した後のファイル書き出しに
ものすごく時間がかかったりしますからね。
今、
「納品日の変更が厳しいのは当たり前」
とさらりと書きました。
しかし、これ、共有できているでしょうか。
動画制作のことを知らない人にとっては、
当たり前でもなんでもない可能性が高いのです。
制作会社が1時間後に納品しますね、
といった端から、
「ロゴ差し替えてもらえますか?」
なんてメールを送るクライアントだっているんです。
これは、大変難しい問題です。
クライアントにとっては、
そんな細かいこと知らないよ、というわけです。
専門家じゃないんだから、と。
一方、制作会社にとっては、
そんなこと無理に決まってるでしょう、というわけです。
普通に考えたら分かるでしょ、と。
間に代理店など挟んでいると、
さらに話はややこしくなります。
代理店が「できます」と返事を済ませてたり・・・。
制作会社がきちんと説明すべき?
しかし、制作会社としては、
逐一そういうことを事細かに説明していたら、
制作そのものが進まない、という問題になります。
そうでなくても、短納期でしかも価格を下げているのに・・。
そもそも全部を説明するなんて現実的ではありません。
そこで、
「変更は◯回まで」という回数でしばっているのをよく見かけます。
これも、致し方ないのですが、
クライアントにしてみるとあまり落ち着きません。
私は以前、納品間近に、
「出演者の服を変えて」と言われたことがあります。
これは驚きました。
業界が違うとこうまで常識が違うのかと
愕然としたのを覚えています。
解決策は、
きちんとコミュニケーションをとる、
ことしかないでしょう。
* * * *
私は、制作会社とクライアントが、
対等に建設的な意見交換がきちんとできる時に、
いい動画が生まれると感じています。
どちらかが強くてもうまくいかない。
クライアントがあれしろこれしろと指示出すのも、
制作会社ができません無理ですと突っぱねるのも、
どちらも幸せな動画制作ではありません。
動画制作におけるコミュニケーションを円滑にする。
そして、いい動画をもっと生み出す。
これが、私の活動の目的です。