動画編集についての相談を受けてて、
「モザイクをかけたい」
という要望がものすごく多いのです。
私自身は正直に言うと、
「モザイクなんて、考えたこともない」
のが本音なのです。
それこそ、アダルト以外に、
一体どこで必要になるんだ?と。
私が依頼を受けて動画を作る時、
モザイクについて考えることはありません。
必要になったことも、ありません。
それなのになぜ、
こんなにもモザイクについて相談を受けるのか。
* * * *
実はこの、
「モザイクをかけたい」は、
初心者にありがちな相談なのです。
撮影の失敗を隠すのが目的だからです。
写ってしまった
不適切なものを隠したいからです。
私もそうですが、
おそらくほとんどのプロが、
「撮影の時に気をつければ解決だ」
と考えるでしょう。
しかしですね、
よくよく聞いてみると、
確かにありそうな状況なのです。
●上司や社長が撮ってきた動画を
編集しなければならない。
※クライアント、でも同じ。
●イベント会場で撮影したので、
周りの人々を全て消したい。
●特定の製品を撮影したら、
別の会社のロゴが貼ってある。
●屋外で撮影したら、
電柱や看板に他のお店の情報が写っている。
などなど。
どれも「撮影の時に注意する」ものばかり。
しかし、終わった撮影について
あれこれ言えない状況、というわけなのです。
* * * *
そこで今回は、
「仕方なくモザイクをかけたい」
場合の対処法についてまとめます。
モザイクにも、いろんなパターンがあり、
「できる・できない」
「やりやすい・やりにくい」
が変わってきます。
以下、簡単な順に解説します。
【1】動画が固定で、
一部分だけモザイクをかけたい場合
カメラが固定されていれば、
モザイクはかけやすくなります。
人の顔などですね。
消したい部分が移動しないので、
その部分にモザイクをかぶせてしまえばいい。
Windowsなら、5,000円以上くらいの
ソフトなら大抵なんとかなるでしょう。
比較的安価なフィモーラというソフトがあります。
有料ソフトですが、無料で試せます。
Macなら、iMovieでなんとかなりそうです。
モザイク画像を特定の部分にかぶせるイメージです。
【2】動画が固定で、
あちこちにモザイクをかけたい場合
急に難易度が上がります。
モザイクをかける、というより、
特定の部分だけモザイクをかけない、
という方が適切でしょう。
展示会に行って撮影して、
特定の商品以外全てをぼやかしたい、
みたいな場合。
これは、特定の部分を残して、
他を全てモザイクにした画像を用意し、
動画にかぶせてしまいます。
しかし、
仮にモザイクに成功しても
まるで、潜入捜査みたいな映像になります。
企業が発信する動画としてどうなのか、
と本当に首を傾げたくなります。
【3】動く人の顔をモザイクで追いたい場合
基本的に諦めてください。
<モザイクを追いかける>
というのは難しいです。
プレミアプロなど、
ソフトによっては可能ですが、
私が聞く限り、相談いただくモザイクは、
相当のレベルを要するものがほとんどです。
動画のあちこちに、
その形に合わせてモザイクをかけ、
それらを動かしていく、
・・・そんなご要望ばかり。
これらに加えて、
「無料で」
「誰でも簡単に」
を求められます。
・・・諦めましょう。
無謀です。
どうしてもやりたい場合は、
その作業だけ外注するのも一つです。
* * * *
今回の内容、人によっては
「何を言ってるのかさっぱり」
だったのではないでしょうか。
つまり、
それだけ難しいことを
初心者の方がやろうとしている、ということ。
私はその状況が本当に歯がゆい。
やはり、ビジネス上の動画では、
モザイクはカッコ悪いです。
★撮影の失敗を編集でカバーするのは、
初心者がすべきことではありません。
「お金がない」「技術がない」
場合は、撮影の段階で注意する方が楽です。
使えない動画は、使えないです。
編集ソフトは万能ではありません。
ぜひ覚えておいてください。
イベント会場なら、
下の方から見上げて撮影してみましょう。
不要なものが入らないアングルを探すわけです。
道ゆく人も写さない。
ロゴなどのステッカーや、
看板などの文字は、
そもそも写さない。
入ってしまうなら、
すぐにはがせるようなテープで
貼って隠してしまう。
モザイクよりもはるかにまともです。
手がぶれて写ってしまいそうなら、
三脚を使うか、カメラをどこかに置いて撮る。
撮影でなんとかする方法なら、
簡単な手法がいっぱいあるんですね。