デジタルコンテンツは、
「いくらでも詰め込め」ます。
例えば、文章。
雑誌を作る時、
文章を書く人は常に、
「文字数」などの制限を設けられていました。
書きたいことはたくさんあるけど、
何文字と決まっているから、これは削ろう、と。
ところがパソコンが普及し、
その制限は解かれたわけです。
ウェブサイトを作った時、
理論上、文字数はいくらでもいい。
書きたいものを書きたいだけ書けばいい。
後から修正できるし、
文字数が多かろうと、かかる費用はほぼ変わらないわけです。
写真だって同じ。
ダイヤルアップだった回線も、
今は光も珍しくなくなった。
おかげで、ウェブサイトが「重いかどうか」は、
費用を気にする必要がなくなりました。
文章も、
写真も、
「多すぎたら見てもらえない」と考えるでしょう。
ただ、実はそれほど問題にならないのです。
なぜなら、見る人は
「飛ばし読み」ができるからです。
コンテンツの量に関係なく、
見る側が、自分で判断ができるのです。
* * * *
さて、動画の時代になりました。
この動画というやつは、
やや厄介です。
なぜなら、デジタルコンテンツであるにもかかわらず、
アナログな要素を内包しているからなんです。
デジタルコンテンツであるために、
動画がどれほどの長さであろうと、
保存コストにそれほど大きな違いはありません。
だから、作る側は、
どんどんコンテンツを詰め込もうとする。
技術的には特に問題なし。
しかし。
今度は、見る方は動画が長いと、途中で止めてしまいます。
飛ばし読み、という手段をとりません。
長いと分かった時点で、
見てもらえない可能性があるのです。
本や写真のように、
パラパラめくる、というやり方はなかなかとってもらえません。
だから、アナログな記事のように、
「最初に長さを決めて、それに収まるように」
動画を作らないといけないわけなんです。
ところが。
動画を作るとき、
どんなことを考えるでしょうか。
「あれも入れておこう」
「これがないと伝わらないんじゃないか」
「あれが足らんだろう」
「これとこれも入れておけよ」
「あれを入れたいなあ」
「これも伝えたいなあ」
・・・
当人だろうと、
上司だろうと、
とにかく、パンパンに情報を詰め込もうとします。
「短い方がいい」と頭でしっかり分かっているのに、
いざ動画を作ろうとすると、
「あれもこれも・・・」となってしまう。
これは仕方ないと思います。
しかも、同じ人が、
他社や他人の動画については、
「長いよこれ」
「こんなの誰が見るんだよ」
と陰口を叩くのです。
これも仕方ないと思います。
・・・そこでご提案です。
どんどん詰め込んでいいです。
20分でも1時間でもどんどん作ってみてください。
そしてその一方で、
別バージョンも作ってください。
1動画1テーマに小分けにした動画を。
それら両方を、公開してみる。
アクセスの結果は、数ヶ月後には明らかになると思います。
結果を見ながら、
今後どのような動画を作っていくか、
ご判断いただければと思います。