「動画の撮り方」とか、
「機材について」とか。
よく聞かれるのですが、
私にはすぐに答えることができません。
専門家なんだからすぐに教えてよ、
という顔をされるのですが、
そういう人に限って、
撮影の前にそもそも考えるべきことが
スッポリ抜け落ちていることが多い。
「誰に見せるの?」
「見てどうして欲しいの?」
「どこで見せるの?」
「何を伝えるの?」
この4つをすぐに答えられないなら、
動画の企画はまだできていません。
そんな状態では、
どれだけ高級な機材を使って
プロに撮影してもらっても
意味がある動画が出来上がるとは思えません。
* * * *
「誰に見せるの?」
動画を見せたい相手は、
どこの誰ですか?
できるだけ多くの人に、なんていうのはダメです。
(そう答える人が本当に多いですが・・・)
「見てどうして欲しいの?」
お店に来て欲しいのか、
電話して予約して欲しいのか、
サイトに誘導したいのか、
名前を知って欲しいのか・・・
動画の最後に、
名刺を貼り付けるように、
いろんな情報を盛り込んでも効果は期待できません。
「どこで見せるの?」
動画を見せたい相手は、
その動画をどこで視聴しますか?
スマホですか? パソコンですか?
イベント会場ですか?
それともチラシのQRコード?
そして、どんな状況で動画を視聴しますか?
通勤電車ですか? 自宅リビングですか?
会社の机の上ですか?
それともベッドの上ですか?
「何を伝えるの?」
親しみやすさなのか、
立地なのか、安心さなのか。
使い方なのか、情報量なのか、
客の評価なのか、雰囲気なのか。
* * * *
以上4つが明確になれば、
次のステップに移れます。
「どうやって伝えるか?」
「どのくらいの長さで伝えるか?」
こういうことも、アイデアが固まっていきます。
動画には動画の仕事があります。
例えば、動かない野菜を
じっと動画に撮って公開しても
あまり意味があるとも思えません。
写真で十分だからです。
でも、野菜を収穫している様子だったら
話は変わります。
その野菜を包丁で切ってみると水がしたたる。
そんな様子を伝えるのは動画にしかできません。
野菜を育てている農家さんの
こだわりを話している様子は、
動画向きでしょう。
ポイントは、
「動画にしかできない仕事は何か?を考える」ことなのです。
会社で視聴される動画なら、
音を出さずに理解できるように作る方がいいかも。
通勤電車の中なら、
テロップが大きい方がいいかもしれない。
帰宅後にリラックスして見てもらう動画なら、
あまり騒がしいものは好まれないかもしれません。
こんな風に、ステップを踏んで企画していくと、
次にすべきことが、どんどん明確になっていきます。
撮影や機材云々は、この後の話なんです。
今回は、動画の撮影前に考えること、
としてお話ししましたが、
これは、出来上がった動画のチェック項目としても使えます。
特に動画についてコメントする立場の方々、
好き・嫌いや感覚で判断せず、
こういう項目で、いい・悪いを判断してみてくださいね。