私が定期的に受ける仕事に、
「インタビュー編集」があります。
さてこの編集作業、
そんなに難しいことはしません。
いらない部分を削って、
並べ替えるだけ。
使う機能も、本当に限られます。
これらの機能を説明するなら、
おそらく30分もあれば十分です。
動画編集なんてやったことない人が、
以前、隣で私の作業をしばらく見ていました。
そして彼は言いました。
「これ、自分でもできそうですね」と。
「ええ、できますよ」と私は答えました。
そんな、この作業ですが、
実は、とっても手間と時間がかかります。
インタビュー収録は1時間。
これを3分にまとめます。
つまり、ほとんどを削らなければなりません。
関係者に見せると、
「どこを削るか」が、
人によって意見が分かれるのです。
何度も何度も話し合い、
どこを使うかを詰めていきます。
* * * *
また別の話です。
ずいぶん前のことになりますが、
中国人の方から編集を頼まれたことがあります。
ホームページに掲載する動画を頼みたい、と。
内容を聞くと、作業自体はとても簡単なもの。
使う機能も、本当に数種類くらい。
・・・でも、結局断りました。
中国語の動画だったからです。
編集操作が難しいんじゃない。
内容が理解できないから編集できないんです。
* * * *
私は仕事柄、
「編集の基礎を教えて欲しい」
というようなことをよく頼まれます。
そして実際、よく講座を開いています。
しかし、なかなかピンときてもらえないのが、
この「機能と現実の間」です。
初心者ほど、
・プレミアプロが、とか、
・アフターエフェクトが、とか、
プロ用ソフトの名前を口にします。
しかし、一般的な動画で
それらのソフト「でないとできない」
ようなことは、むしろ少ないです。
- 機能が多いソフト=いい動画が作れる
- 機能が少ないソフト=悪いソフト
という勘違いをしてしまいがち。
さらに言うと、
- 多くの機能を使えるようになる=よりいい動画が作れる
これもまた、どこかちぐはぐです。
Wordの使い方を覚えると、
いい小説が書けるようになる。
・・・これ、おかしいですよね?
Wordの基本なんて、本当に限られます。
ひらがな・カタカナ・英数字が打て、
漢字変換ができる。改行ができる。
フォントを変える。文字の色を変える。
このくらいで、十分文章は書けるでしょう。
そして、このくらいのことは、
Wordじゃなくて他のソフトでもできる。
編集するのに必要な基礎というのは、
100%どのソフトにもついています。
だから、どれでもいいんです。
インタビュー動画が、いい練習材料となるでしょう。
誰かがしゃべっているところを撮影し、
その声を編集してみてください。
それを何度もやってみる。
これ、野球の素振りのように、効いてきます。
これがすらすらできるようになる頃には、
難しい機能だって、必要ならすぐに対応できるようになっていますよ。