打ち合わせの場や、飲み会の席などで、
「ちょっとこの動画見てください」
とスマホやタブレットを
持ち出されるケースが増えてきました。
話すよりも、見せたほうが早いから、
というわけですね。
動画を見せられる私は、
こういう場合、かなりの確率で
イラッ
とするんです。
イラッとする理由はシンプルです。
「その動画がダラダラしている」から。
「むしろ話した方が早いじゃないか」
という内容が多く、
相手が楽をしようとしているとしか感じない。
一人なら早送りなどもできますが、
目の前に相手がいたらじっと見るしかない。
* * * *
よく、カメラの選び方、
編集ソフトの使い方について聞かれますが、
本質はそこではありません。
素人の動画が敬遠される理由は、
「ダラダラしている」
「長い」
だと思っています。
言い換えるなら、
動画を作るときはとにかく
できる限り短くすることを考える。
「じゃあ、何秒くらいですか?」
という質問もまた、的を得ていません。
見る側の【心理的な長さ】を考えることです。
例えば、打ち合わせの席で、
機械が動いている様子を見せてもらうとします。
これは確かに動画が適しているでしょう。
しかし、動画を再生して、
- ロゴが出て、
- 工場の全景が映り、
- 働く人々の笑顔が・・・
ああああああ、早く、機械が動いているところだけ見せて!
となるのです。
(※適当に書いたので、もしこの通りに作られている動画があったとしても、それを非難する訳ではありません)
動画を作る側の身になって考えると、
完成した動画は長くなりがちです。
これもまた、作り手の心理です。
撮るものを絞るのは、危険です。
撮り漏れが発生したり、
撮影素材が少なすぎたり、
撮影に失敗して使い物にならなかったり、
するからですね。
これは、プロも同じこと。
時間の許す限り、たくさんの素材を撮影することは必須。
ここまではいいのです。
しかし、いざ編集に取り掛かると、
たくさんの撮影素材を前にして、
「これも要らない」
「あれも要らない」
とポンポン削除ボタンを押すことができない。
「せっかく撮ったんだから」
「たくさんある方がいいだろう」
なんていう発想になりがちなのです。
結果、必要以上に長い動画になっていく。
★編集することとは、削除することと見つけたり
とでも言いたいくらいなのです。
その動画を見る人のこと、そして
視聴するシチュエーションまで考えて、
徹底的に動画を短くする。
撮影した時のことは一旦頭から外す。
動画の最適の長さ、に決まりはありません。
だからこそ、自分(達)でそれを決めないといけません。
動画を掲載する場所、
それを見るタイミングなどから、
最適な長さをなんとなく決める。
私の動画制作はそこからスタートします。
だいたい、私の中の分類は次の通りです。
- 5から10秒(SNSなど)
- 30秒(プロモーション・概要など)
- 1から5分(解説・レッスンなど)
- むしろ長い方がいい(教材など)
そして「30秒以内」と決めていても、
編集段階で、28秒にできないか、
さらに1秒削れないか・・・
と考え続けるのです。