動画を作る時、
そのやり取りはどうしていますか?
それが、
プロに依頼するのでも、
社内で社員が作るのでも、
構いません。
動画を作るときのやり取りは、
必ず、対面で行なってください。
企業でのビジネスのやり取りの多くは、
メールで行われていることでしょう。
請求書のやり取りや、
仕入れのやり取りなどは、
「日付」「宛名」「依頼主」「金額」「数量」
などの必要な項目が含まれていれば事足りますから、問題ないでしょう。
しかし、動画を作るときは、
メールはあまり役に立たないんです。
せいぜい、
・誰と誰が参加するか
・撮影日はいつか
・持ち物は何か
・集合場所と時間
・いつまでに何が欲しい
などの、一般的に他のビジネスでも使われるようなことだけ。
「どんな動画を作りたいのか」
「どんな雰囲気にしたいのか」
「何を撮影するのか」
「どこで撮影するのか」
こういった<撮影や編集の内容>は、
メールに書くのは構いませんが、
★書いたからといって、きちんと共有されたなどと勘違いしないでください。
ワクワクする感じ、とか
あったかい雰囲気、とか
こんなこと言われて、頭に思い浮かべるものは、
人によって全く異なるのです。
こんな抽象的な表現だけじゃありません。
例えば、
「テーブルの上にリンゴがある」
だけでも、
・一つだけ置いてあるリンゴ
・カットされて爪楊枝が刺さったリンゴ
・お弁当用のウサギ型リンゴ
・赤いリンゴ、青いリンゴ・・
など、いろんな撮り方が考えられます。
動画撮影、動画制作、と聞くと、
センスとか技術とかを思い浮かべるでしょう。
しかし本当に大事なのは、
どんな動画を作りたいか、という
コミュニケーションなのです。
自分たちで撮るのも大変ですが、
プロに頼むのだってもっと大変ですよ。
プロに
「テーブルの上にリンゴが・・」
なんて言ったら、
「どんな風に?」と質問を返されます。
具体的に、具体的に指定しないといけないからです。
私が企業ものの動画を依頼されるとき、
真っ先に気にするのは、
<相手とのコミュニケーション方法>
なのです。
特に初めての相手の場合は。
とても多いのが、
「自社のこの商品をPRしたい」
という場合。
こんなときは、依頼側にも、
「こんな風に撮って欲しい」
というイメージがあります。
だから、それをプロに伝えないといけない。
これこそが、大変な部分なのです。
文章でイメージを伝えるなんて大間違い。
対面で、できるだけ言葉を尽くさないといけない。
それでも話はずれていきます。
だから、プロは絵コンテなどでそれを補強していきます。
そこまでやっても、意思の疎通は完璧とは言えません。
絵コンテを見ての判断もまた、異なるからです。
一般的なビジネスにおいても、
メールは便利である一方、
いざこざのタネにもなりがちですが、
動画制作においては、それがさらに強調されます。
私はメールに「判断が難しい表現」を
できる限り使わないように気をつけています。
そして、
動画の制作工程ではできる限り
会う機会を増やし、言葉・絵コンテなどをたくさん用意します。
できるなら、撮影現場にも来てもらい、
一つ一つチェックしてもらいます。
* * * *
今回は残念ながら、
「これをやればいい」という回答はありません。
動画を作るときは、
メールで済ませない。
メールを送ったからOKとしない。
そんな注意喚起でした。