クライアントと動画の企画を進める中で、
「どうしたいですか?」
「ご希望はありますか?」
こういった質問を投げかけることは無数にあります。
しかし同時に、
全ての判断をクライアント任せにするのは良くありません。
相手の要望通りにやったからといって、
動画の<結果>はこちらに問われるのです。
クライアント(担当者)を喜ばせることは大事ですが、
そこだけを目的にしてしまうのはプロではないと考えています。
動画を作った、その先まで気を配ってあげることで、
長く続く関係が築けるわけです。
担当者の好みと、動画の目的は、混同すべきではありません。
しかし。
しかし、ですよ。
動画を作るときに向き合うのは、
目の前の担当者なのです。
* * * *
担当者とやりとりをしながら、
動画の撮影企画が進んで行きます。
企画内容も決まり、
具体的なナレーションや構成の話になっていく。
先方から出されたナレーションリストをもらって、
「いかがですか?」と聞かれる。
あなたはそのリストを見てしばらく考え、
そして意見を言います。
「この部分がちょっと長いですよね」
その瞬間、場の空気がピシ、と固まる。
あとで分かったことは、
そのアイデアは、部内の決裁者が考えたものだった!
・・・みたいなことは多いのです。
他にも、
どうも相手が一つのアイデアに固執するなあ
と聞いてみると、上長の選択だったり。
もちろん、
クライアントがおかしいということが言いたいのではありません。
そして、
常に企画する側が正しいのだとも思っていません。
私が言いたいのは、
<動画制作も結局、人と人のやりとりである>
ということ。
撮影のスキルとか、
どのカメラがいいとか、
編集の知識とか、
そういう部分ばかりに関わってもいられない。
動画の企画というのは、
数値計算ができるわけではありません。
だから、<好き嫌い>という影響を受けやすいのです。
「僕はアイドルのAが好き」
「へー、そうなんだあ」
という会話なら分かりますが、
「僕はアイドルのBが好き」
「いや、それはおかしいと思う」
というのは会話にならないでしょう。
動画制作の経験を積んでいくと、
こういう場面でどうするか、という
自分なりの戦い方ができていきます。
もし経験豊富な方と話す機会があれば、
こんなシチュエーションについて問いかけてみると、
面白い話が聞けるかもしれません。