撮影スキルがどれだけ高くても、
現場の担当者や上司の【好みの壁】は避けられない、
という話を何度かしています。
提案するとき、
「それがどれだけ優れているか」
に一生懸命になってもあまり意味がないこともあります。
【好みの壁】を理解した上で、
担当者とのやりとりを円滑にするために、
私が日頃やっている3つの方法をご紹介します。
(1)複数パターンを出して相手に選んでもらう
A案とB案、どちらがいいですか? と、
2つ、3つの案を用意して提案に臨みます。
すると、相手はどちらかを選ぼうとします。
クライアントが「自分で選んだ」と感じることが大事なのです。
ただし、どうしてもここはあった方がいい、
という内容は、複数の案に含めておきます ^^
(2)メリット・デメリットを話しながら誘導する
複数の案やアイデアについて、
それぞれのメリットとデメリットを挙げて解説します。
メリットとデメリットを伝えると、
メリットよりも「デメリットが気になり始めます」。
どうしても外したほうがいい部分、というのは、
そのデメリットを強調して話すことも可能ですね。
デメリットが「より良くない」方を、
たいてい選択することになります。
(3)担当者を味方にする
相手が大きな会社であればあるほど、
担当者である相手も、実は間に挟まれて苦労していることが多いです。
提案する人間と同じく、
担当者もまた、上長の決裁や了解を得ないといけない。
だから、決裁者の人柄とか好みとかを入手することは、
提案者と担当者、互いのメリットになるのです。
もうほとんど、スパイまがいのことをするわけですね。
でも、目的はあくまで
「いい結果を出すこと」であるのを忘れないように。
* * * *
こうしてまとめると、
まるでクライアントを騙しているみたいに感じるかもしれません。
しかし、
動画という感覚的な世界だからこそ、
誰もがわかる表現に変換して話すスキルは、
動画を扱う人間にとっては必要なことだとも思うんですね。