「簡単にできる!すぐできる!」
という謳い文句がありますね。
これは動画制作に限らないのですが、
きちんとこの言葉を読み解かないと、
間違った判断につながってしまうと思うのです。
たいていの場合、
●簡単=楽チン
●すぐ=気楽
と置き換えられると思います。
今回はこんな風に、
【できる限り客観的な表現で】
動画制作について書いてみたいと思います。
* * * *
動画制作において
「簡単にできる!すぐできる!」
と言われるのはやはり、
スマートフォンを使った方法ですね。
これは時代の流れといってもいいですし、
私もケースバイケースで使用しています。
ただ、スマホでの動画制作は、
いくつか注意点があります。
むしろ、別のやり方の方が
はるかに手っ取り早いのに・・
と思うこともしばしばなのです。
▼スマホの動画撮影について
家庭用ビデオカメラの方が、
スマホよりはるかに操作は簡単です。
液晶パネルをパタッと開けば準備完了ですからね。
あとは録画ボタンを押すのみ。
そして、初心者にも使いやすいです。
バッテリーの持ちも容量も格段に上です。
一方、スマホでの撮影は、気楽なんですね。
普段から持ち歩いて触れているから、
操作も慣れている。
★実際に楽チンであることと、
気楽であることは分けて考えましょう。
ざっくりと言うと、
上手な撮影のコツは次の3つです。
- 映像を安定させる(水平を保つ)
- 明るく撮る
- 音をきれいに録る
スマホを安定させる・水平を保つには、
三脚は欠かせません。
しかし、
それが面倒だから机の上に置くことになる。
スマホの自撮り撮影の多くが、
机の前に座ったものになるのはそのためですね。
そう、スマホでの動画撮影は、
自撮りなど、ごく限定された
撮影になってしまうのも特徴です。
立った人のインタビューもあるでしょう。
その場合は、人の顔の高さにスマホを固定するのが面倒。
できないのではありません。
楽チンではないから皆やろうとしないのです。
そして声をきれいに録るためには、
カメラと相手の距離は近い方がいい。
つまり、少し離れた人の声を録るには、
スマホはあまり適切ではなくなります。
外付けマイクなどを使えばいいのですが、
それなら、スマホよりも別のカメラの方が
扱いやすかったりもします。
一般的なカメラの方が、
三脚に設置して固定するのは楽チンです。
▼スマホアプリでの編集について
アプリが簡単かと言われれば、
パソコンとそれほど変わらないと思います。
アプリの機能も充実してきているので、
これまたパソコンと変わらないとも言えます。
ただ、スマホの中に撮影データがあるので、
データを読み込む手順が無い分、
アプリの方が楽チンだとも言えます。
また、アプリにはそれぞれ、
テンプレートが用意されていて、
そこに撮影したものを配置するだけで
ちょっとした動画が完成するものも多いです。
でもこれ、見る人が見たら
「ああ、テンプレートね・・」
とすぐ分かるんです。
「よく見かけるフリー素材ばかり使ったホームページ」
ってどう思いますか?
スマホアプリの編集の一番の欠点は、
複数の人と共有ができないことですね。
企業でチームで動画を作るときは、
これはちょっと問題なのではないかと思います。
それから、言葉を編集するのが
アプリではかなり難ありです。
インタビューも含め、
言葉をちゃんと編集しないといけない場合は、
かなり厳しいでしょう。
だから、スマホ自撮りあいさつ動画などは、
多くの人が「一発撮り」をやっているんです。
私は動画はもちろん、音声番組の収録も
定期的に行っていますが、
言い間違えや詰まった部分は、
パソコン編集で数分の操作で取り除けるので、
収録も早いですし、気楽に撮影しています。
▼スマホによる動画制作について
まとめです。
撮影+編集(アプリ)+YouTubeアップ
を一人で一気にやりたい場合は、
スマホ動画制作はバッチリなんです。
例えばイベントの様子など、
撮影したデータをつなぐだけの動画は、
スマホは最適だと思います。
しかし、途中でも書きましたが、
言葉の編集が多い場合は、
アプリ編集では厳しいことが多々出てくると思います。
となると、パソコンで編集した方が
むしろ楽に操作できることも出てきます。
それはつまり、
撮影したものをパソコンで編集するということ。
すると今度は、
スマホ撮影にこだわる理由がなくなってしまうんです。
* * * *
「スマホで動画制作ならすぐ簡単」
と考えるのは、ちょっと待った、
という話をまとめてみました。
「スマホが絶対楽チン!」
「スマホは使わない方がいい!」
これらは、どちらも偏った考え方なんです。
・今回はスマホで一人で進めよう。
・今回はこちらのカメラで撮影しよう。
こんな風に、取捨選択できる目を
持って欲しいなと思って書いています。