カメラを動かして撮影することは多いでしょう。
- 大きな製品を、端から端まで撮影したり、
- 人が歩いている様子を撮ったり、
- イベントの様子をゆっくり撮ったり。
立ったまま、
カメラを横に動かして撮ることを、
「パン」とか「パーン」と言います。
英語ではPANと書く。
が、こんな言葉はどうでもいい。
この、カメラを横に動かす撮影、
当然のことながら、
撮影の最初があり、終わりがあります。
ここに、
初心者と経験者の大きな違いが出るのです。
まず経験者。
動かしたその映像の終わりが
ピタリ、ときれいにまとまっている。
まるで、オリンピック競技の鉄棒で、
くるりと回転して飛び降りた選手の
着地がきれいに決まるように。
ところが多くの初心者の移動撮影では、
終点、つまり映像の終わりがグラグラなんです。
- 何かを追って撮影して、
突然変なものが写ってしまって
慌ててそれを避けていたり。 - カメラを動かしてて、
身体をひねってバランスを失って、
おっとっと・・となったり。 - 撮っているうちに、
対象を見失って、
カメラがキョロキョロしたり。
・・・思い当たる節はありませんか?
カメラを動かす撮影において、
経験者は終わりがピタリと決まり、
初心者は終わりがグラグラする。
この違いはなんなのか。
答えはシンプルなんです。
経験者は、
★終点を決めてから撮影を開始するのです。
初心者は、撮り始めてから、
カメラと一緒に身体を動かし始めます。
しかし経験者は、
まず終点を確認し、その状態で身体を固定。
そして、身体をひねって最初の状態にして録画を開始します。
初心者と経験者のやることが真逆なんですね。
これを実践するだけで、
カメラを動かす撮影が上手になりますよ。
余談ですが。
映画撮影でもこの「終点」の問題がよくあります。
役者が遠くに向かって走っていくシーンとか、
敵が主人公をずっと追いかけるシーンとか。
最初に役者と、
「撮影の終わりのこと」
まで詰め切れてなくて、
延々と走っていってしまう。
撮影はもう十分なのに、
役者さんはずっと遠くまで走っていってしまう・・・。