ある時、質問されました。
「撮影の時、後ろの壁を
白くする方法を教えてください」
●人物の後ろを白くしたい。
これを聞いて、みなさんならどう答えますか?
- 白い布を壁から垂らす方法
- ブルーバックで合成する方法
などが現実的であることをお話ししました。
ひとしきり話したあとで、
その人は言いました。
そうじゃないんです、と。
いろいろ聞いてみた結果、
「事務所の壁の前に立って撮影すればOK」
というオチになりました。
「なるほど、そう言えばよかったのか」
と、その人は納得していました。
「壁を白くする」という言葉に惑わされ、
ややこしい回答をしてしまったのでした。
* * * *
頭の中にイメージが浮かんだ場合、
それを言葉にして説明するのが難しいのです。
だって、
<イメージを言語化する>
訓練なんて誰も受けてませんからね。
専門家同士でも、
撮りたいイメージを話し合う時、
言葉を尽くしてじっくり話すんです。
それでもうまく伝わらないから、
絵コンテやイメージボードなど
いっぱい用意するのです。
私がカメラマンにイメージを伝える時、
- 絵コンテで視覚的に表現し、
- 言葉で補足解説し、
- カメラ位置を具体的に指示、
しています。
ここまでやっても、
まだ微調整が必要です。
カメラマンが”私の指示通りに”
セッティングしたのを確認すると、
少し直す必要があります。
専門家同士でも、
これだけやりとりが発生する。
私が初心者の方から質問される時、
その人の言葉をそのまま
鵜呑みにしないように気をつけています。
必ずしもその言葉通りの
意図ではないことも多いからなんです。
繰り返しになりますが、
これは誰が悪い、ということはありません。
イメージを表現するときは、
なるべくいろんな例えを使ってみましょう。
「映画○○のあのシーンみたいな」
「ドラマのあのシーンみたいな」
「お笑い芸人のあの動作みたいに」
「○○のテレビCMのあれみたいに」
イメージというのは、そもそも言葉にしにくいもの。
だからこそ、それがうまく映像化できれば、
それまで言葉で伝えられなかったことも、
動画で伝えることができるようになるんですね。
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